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純情テロリスト「シーソーゲーム」【後編】
「続き」もしくは下に下がってお読みください。
忍が俺に会いたくない理由。
それは何なんだ?
急ぎの仕事もないせいか職場なのにも関わらず忍のことばかり考えてしまう。
ずっと会えていなかったからケンカなんかする暇もなかったし、久々だから忍も俺に会いたいと思ってくれていると思っていた。
会えないことで怒らせたのか?
それにしても昨日の忍は帰りが遅かった。
それが何か関係があるのか?
帰りが遅い=誰かと会っている=俺には会いたくない=……浮気?
いや待て、俺。
それは何がなんでも飛躍しすぎだ。
きっと忍は何かしてたはずだ。
そう何か!!
俺に言えない……何かを……
考えれば考えるほど、負の方へ行ってしまう。
忍にかぎって浮気なんてあるはずがない。
あんだけ俺のこと好きだ好きだと言ってきたやつが。
でも…、連絡は一切なかったな……
「あーーもうっ!」
「急にどうしたんです教授?」
「俺帰る!!」
「帰るってまだ仕事中ですよ?!」
「講義もないし、仕事もないっ!ってことで帰るから後はよろしくな上條!」
「ちょ、教授?!」
半ば強引に引き留める上條を振り切って大学をでた。
それに30分もすれば終業時間だ。困ることはない。
それに何より忍とのことを何とかせんと落ち着かない。
仮に……もし仮に!忍が浮気してたとしよう。
忍が相手のことをもうすでに愛していたとして、俺に打つ手もないのなら忍の幸せを願ってやるしかない。
その時は俺から身をひいてやる。
だけど、俺への当て付けなら厳しく説教をし俺以外を想えなくしてやる。
「忍くん。」
考えながら歩いていると前の方で声がした。
『忍くん』と呼ぶ男に気付き振り向くのは、やっぱり忍で。
「近藤さん!」
少し嬉しそうにその男に近づいた。
俺の中に浮かんだのはさっきまで考えていた前者の方で。
忍と男は楽しげに歩いていった。
しかも男は俺よりもはるかに年上で初老と言ってもいいくらいだ。
今度の相手はその男なのか?
いくらなんでも年上すぎるだろ。
俺とも年の差はかなり大きいけど、それは忍が俺を好きになったから関係ないと思っていた。
忍はそれほどあの男を愛しているというのか?
頭の中で絶望感だけが支配していて、力なく歩く足は2人の後をつけていた。
少しすると2人は喫茶店に入っていった。
そこは夜はディナーをやっているのか、人が多かった。
今日はここで2人で食事でもするのか…
俺も喫茶店に入っていった。
忍とあの男はどこにいるのだろう。
店を見渡しても見当たらない。
あの男と楽しげにいる忍なんか見たくないが、それで忍を諦められるなら我慢しよう。
「ご注文はお決まりですか?」
「………」
「おい、注文は……」
「あ、すみません。じゃぁコーヒ………忍?」
「み、宮城?」
不機嫌な声で注文を聞きにきたのはエプロン姿の忍だった。
「なんで、お前そんな姿で……」
「宮城こそ、なんでここにいるんだよ!」
忍の大きな声が店中に響いた。
「忍くんどうかしたんですか?」
店の奥から、先程忍と一緒にいた初老の男が出てきた。
「あ、近藤さんすみません。」
「忍くん、ここでは私はマスターですよ。」
「はいっ。」
自分をマスターという男にエプロン姿の忍。
頭の中で、ある考えが一本の線になった。
「お疲れ様です。お先に失礼します。」
「明日もよろしく頼むね、忍くん。」
「はい。」
店も閉店した22時、店からは忍がでてきた。
「忍」
「みや…ぎ…」
忍のバイトが終わる時間まで外で待っていた。
静な夜の住宅街を2人で歩く。
忍は何も話そうとはしない。
「忍、いつからアルバイトしてるんだ?」
「……半月くらい前から」
半月前。
俺と忍が会わなくなった日あたりから。
「どうしてまたバイトなんか始めたんだ?」
「………するため」
「は?」
「だからっ!自立するため……」
自立?
なんでまた急に。
「『ガキ』のままの俺じゃ、宮城の傍にいられないから…」
「なに言ってんだ忍?」
「宮城、前に『ガキ』は嫌いって言ったじゃん…。だから俺、大人になろうって思って……自立しなきゃってだからバイト始めた。」
俯きながら忍は語る。
「でもバイトして気が付いた。俺まだガキだなって……。宮城に近づけないや……」
肩を震わせ、涙を見せないようにさっきよりも顔を下げてしまった。
「まったく、お前は……ほら、ちょっと来い!!」
「え、み、宮城?」
驚く忍の手を引き、歩き出す。
向かった先は公園で。
「ほら、ここ座れ。」
「な、なんで?」
「いいから!」
強引に忍をシーソーに座らせる。
そして俺は反対側の忍の向かえに座る。
ガタンッ
「うわっ」
俺が座った反動で忍の方が上がった。
「な、なんだよ急に…」
「このシーソー、バランス取れてないだろ。」
「…………」
「まぁ、それは俺の方がお前より体重はあるからな。」
わけがわからなさそうに忍は俺の言葉を静かに聞いている。
「俺とお前の年の差は離れてて、やっぱ子供大人ですれ違うことも多い、だからバランスを崩して反発しあったりもする。だからな、忍バランスを戻すにはこうするんだ。」
俺は今座ってる位置から一つ前に移動する。
そうするとシーソーはバランスを取り戻し、俺と忍は同じ目線になった。
「…近づけばバランスなんて保てる。忍は無理やり大人にならなくたっていいんだ。2人が近くにいれば、一緒にいればいいんだ。忍が自立しようと俺から離れようとすると今回みたく俺はバランスを失う。2人でいれば大人も子供も関係ない。」
カタン
シーソーはまたバランスを失った。
「宮城っ」
忍はシーソーから降りると俺の元へかけよってきた。
俺は忍を抱き締める。
忍、お前はガキのままでいいんだよ。
俺はお前の子供っぽいところ、わがままなとこが可愛くてしょうがないんだ。
「まーったくお前はうるさいなっ!」
「なっ、宮城が約束破るから悪いんだろ!!」
「ガキッ!」
「おやじ!」
「俺は、ガキのまんまでいいんだろっ!」
っ!!
「あぁ、そうだよ。お前はそのままでいろよ。」
優しく頭を撫でてやれば忍は大人しくなって、俺に抱きついてきた。
まったく可愛いんだから忍ちんは。
「じゃぁ、今日はもう遅いし家でゆっくりするか。」
「…うん」
俯いてても顔が赤いであろうことがわかる。
これからもっと赤くなってもらいましょうかね。
忍の顔を上げ、唇を近づける。
忍がいれば
2人でいれば
俺たちは大丈夫だ。
バランスを崩さないように。
シーソーゲームの始まりだ。
おわり。
************************
「シーソーゲーム」完結!!
これは前に言ってた韓国ドラマに感化されて思い付きました!!
シーソーのくだりがドラマ見ててキュンvとしっちゃって(*´∀`*)
シーソーのとこで宮城が話してるのはドラマとニュアンスは違うんですが、『近づけば』ってとこが素敵すぎて(>艸<)
ここを書きたいがためにこの小説書いちゃいました(笑)
UP2009.02.11
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