ここは廻の個人ホームページ(ブログ)です。
取り扱っている作品は、鬼畜眼鏡(主に御克)・銀魂(主に沖神)・鋼錬(主にロイアイ)・純情ロマンチカ(テロ)・ダーリンは芸能人です。
鬼畜眼鏡・テロ中心に活動しています。
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「声涙、倶に下る ⑤」の続きです。
まず初めに言っておきます。
わたくし、廻は「鬼畜眼鏡」をプレイしたことがありません。(持ってません)
ニコニコ動画でハマリ(特に御克)、小説まで書いてしまうハマりようです。
ぁ、でも御克の小説は読みました。
今回この小説を書いたのは、ニコ動で見た、鬼畜眼鏡OPフルに出てくる幼き日の克哉が気になり、あちこちのサイト様をめぐり、「え?克哉にそんな過去が?」的な衝撃を受け、また妄想したら止まらなくなり書いちゃいました。
なので、ゲームをプレイしたことがあるかた、内容がちがっても目隠ししてくださいm(..)m
今回で「声涙、倶に下る」完結です。
今までお付き合いいただきありがとうございます。
では、続きからお読みください。
もしくは下へお下がりください。
まず初めに言っておきます。
わたくし、廻は「鬼畜眼鏡」をプレイしたことがありません。(持ってません)
ニコニコ動画でハマリ(特に御克)、小説まで書いてしまうハマりようです。
ぁ、でも御克の小説は読みました。
今回この小説を書いたのは、ニコ動で見た、鬼畜眼鏡OPフルに出てくる幼き日の克哉が気になり、あちこちのサイト様をめぐり、「え?克哉にそんな過去が?」的な衝撃を受け、また妄想したら止まらなくなり書いちゃいました。
なので、ゲームをプレイしたことがあるかた、内容がちがっても目隠ししてくださいm(..)m
今回で「声涙、倶に下る」完結です。
今までお付き合いいただきありがとうございます。
では、続きからお読みください。
もしくは下へお下がりください。
絶句する御堂の目に映るものは、鮮やかに桜舞う中に相応しくない光景だった。
克哉が少年を待ち、桜の木の下で待っていると少年ではなく、この半年克哉を虐めていた少年達が克哉を囲うように立っていた。
克哉は恐怖からか逃げることができず立ち尽くしていた。
それをいいことに、彼らは今までにないくらいの虐めの行為を行った。
肉体的にも精神的にもボロボロの克哉は、やり返すということをせず、ただ早く今という時間が過ぎてくれないかと願うばかりだった。
そんな中、囲うように立っていた少年達の輪を裂くように入ってきたのはいつも克哉を助ける少年だった。
だけど、いてもと雰囲気が違い、駆けつけるということはせずゆっくりと克哉の元へ歩み寄った。
自分の前に影が出来たことに気付いた克哉は、その影の人物を見上げる。
少年は俯いていて表情がつかめない。
暫く沈黙が続き、だが、急に堰を切ったかのように笑いだした。
克哉でも、克哉を虐めていた少年達でもなく、今克哉の前に立っている、いつも克哉といて支え信頼しあい、無二の親友だった彼が笑っている。
克哉はその意味が分からず、ただ見つめることしかできない。
「克哉、いままで楽しかったよ。」
笑いがとまり、少年が言う。
「ど……いう、ことだ?」
克哉は弱々しく言う。
「どういうこと?そんなの頭のいいお前ならわかるだろ?」
克哉は今の言葉で分かった。
でも、わかりたくなかった。親友の彼が……
虐めの主犯だったなんて。
「まっ、そういうことだ。」
克哉が項垂れたのを見て、理解しただろうと思った。
「でも……なんでだ…?」
「何で?……何でだと思う?」
逆に克哉に聞き返された。
でも、その答えも克哉には分からなかったから。
虐めの主犯が親友だったことで頭が一杯で考える余裕なんてなかった。
「……わからない」
克哉の言葉を聞き、何か含みをもたせ笑いながら彼は口を開いた。
「そうだよな。お前がわかるはずがないよな。」
「……」
「…お前はいままで、なんにもわかっていなかったんだ。」
先程より声のトーンが落ちた。
「俺が虐めをしかけた理由だってわからないだろう?」
「……」
克哉は言い返さず、ずっと聞いている。
「……俺はずっと、お前が羨ましかった。頭もよくて運動神経もいい、人当たりだって良い。だからこそ、憎かった。」
「俺ができないことをお前はなんなくこなす。だけど、お前にもできないことはあった。」
――俺が悩んでいたことお前は知っていたか?――
「俺のことを分からず、いつも隣で笑ってる。それが憎かった。」
「お前はなんにも分かっていない。」
―俺の気持ちも……―
―他人の気持ちも……―
―わからない……―
少年は全ていい終えると、放心状態の克哉の答えなど聞かず、その場を去った。
そこに一人になった克哉は、泣くこともせずただ放心し項垂れる。
御堂は、今のことを見て言葉を失った。
自分が克哉に言ったことは……
あの少年の言おうとしていたことは……
「どうです御堂さん?」
ふいに声をかけられ振り向くと、自分をここへ連れてきた克哉がいた。
そして、先程までの桜並木は消えまた暗闇に戻っていた。
「…これは、お前の…克哉の……」
「そうです。俺達の記憶です。俺はアレに耐えられなかった。俺はオレに守られた。だから今度は俺が守る……」
御堂は言い返せなかった。
自分が克哉に言ってしまったことは……
でも、これでは彼と一緒になってしまう。
自分は克哉にしっかりと自分の想いをつげていない。
伝えなくては…
「…つもりだったが、あなたに任せます。」
御堂が一人心で決意を決めていると、克哉が言った。
「今のあなたなら、オレを…克哉を任せられる。」
目の前の男は何かを悟ったように、笑みを浮かべ言った。
「克哉は、どこにいる?」
指の指す先を見ると、先程桜並木に項垂れていた少年の克哉がいた。
「克哉っ!!」
御堂は駆け寄り、下を向いたままの克哉に呼び掛ける。
呼び掛けられたのか、顔をあげると、その目には何も映していない。
「み…どうさ…ん」
少年の克哉が自分を呼んだことに驚いたが、ここが克哉の中だと思いだす。
「…御堂さん、オレ……オレ…」
泣きそうなのに、泣けず克哉の顔はさらに苦し気に歪むばかりだった。
「オレ…また、オレ……わかってなかったんだ……」
「いいんだ、克哉。いいんだ……あれは私の我儘だ。」
「わがま…ま?」
「そうだ、私の我儘だ。君がわかっていないわけではない、君にはわかっていてもらいたかった…私の願望だ。」
あの少年もそうだろう。克哉といつも一緒にいたから、克哉には自分のことを誰よりもわかっていてもらいたかった。
自分から言い出せないから気付いてほしかった。
そして、彼はその焦れったさに負け、彼は自分の願望に、我儘に、弱さに気付くことはなかった。
自分も気付かなかったら、どうなっていたんだろう。
あの克哉が、自身の思い出したくもない過去を見せてくれなかったら、自分は彼のようになっていたかもしれない。
でも、今はただ克哉を縛る想いから解放してあげたかった。
「克哉…もう、泣いてもいいんだ。君は、私の弱さをわからせてくれたんだ。」
突然克哉は泣き出した。
子供の姿だからなのか、心の重りがとれたからなのか、大声でなき御堂にしがみつく。
目を覚ますと、目の前には克哉がいた。
御堂より少し遅れて克哉も目を覚ます。それはいつもの克哉だった。
「…御堂さん。オレ、長い夢を見ていました。昔の…わすれていた…」
克哉が何を言い出すかわかっていた御堂は、先を言わさず抱き寄せた。
「君のわからないこと、私のわからないこと、互いに気付きあえばいい。そしたらよりいっそう分かりあえる、近くに感じる。」
―克哉、わからないってことはいいことかもしれないな―
克哉な静かに涙を流し、御堂を抱き締めた。
「補足説明という名の言い訳」へ
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「声涙、倶に下る」全6話にしてやっとこさ完結しました。
例によって、細かいことは「補足説明という名の言い訳」に書きます。
ここまでお付き合いしてくれた方、ありがとうございました。
次回作でもよろしくお願いします。
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(拍手設置が上手くできなくてこんなになりました。。。笑)
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