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「青い鳥」
拍手お礼の「幸せの青い鳥」の続きです。
御堂さんの暗い話になります。
小説に軽く話を近づけつつ、一気に遠ざかります。
では、続き又は下に下がってお読みください。
幸せとはなんだろう――
愛とはなんだろう――
それを想う気持ちとはどんなものだろう――
それを感じる気持ちとはどんなものだろう――
だれか、僕に教えて…――
「青い鳥」〜seek love and happiness〜
それはとても暑い日。
街に車や人が行き交うなか、初夏の暑さに一人ものともせず歩く男がいる。
いつもはどこへ出掛けるにも車に乗る男だが、数日前から故障していて乗ることができなかった。
今回の取引先は自社から近いこともあり、その帰り道を歩いていた。
男の名前は御堂孝典。
急に御堂の前に青い鳥が飛んできた。
そしてその鳥は御堂の回りを飛ぶかのように付かず離れずの距離を保っていたが、すぐに飛んでいってしまった。
いつもの御堂なら、鬱陶しいと思い鳥など目でも追うことはないだろう。
けれど、今日は何故か目で追ってしまう。
目で追うと、自然に体もついていき、ある場所にたどり着いた。
青い鳥は、話し合う男性の回りを飛び始めた。
御堂がその二人をみると、なにやらもめているようで、若い男の方が一方的に責められていた。
でも、御堂は責められている理由がわかり若い男を鬱陶しく思った。
若い男はスーツ姿で、怒っている中年の男は店の名前が入った服を着ていた。きっと若い男は取引先で失敗をやらかしたのだろう。先程からずっと頭を何回も下げている。
謝ることしかせず、失敗したことに対する対策を練ることなく、ただひたすら謝るばかり。
御堂は謝るなら結果を持ってこい、という性格柄そういう人間をみると苛立ちがする。
そんな男を見ていたくなくて、その場から立ち去ることにした。
会社に戻り、子会社に新商品の説明に行った部下の報告を待つあいだも御堂は忙しそうに仕事をしていた。
だが、ふと仕事をしていた手を止め窓の外を見ると、またあの青い鳥が飛んでいる。
何故か青い鳥には目を奪われてしまう。
席を立ち窓際まで行くと、半分まで降りていたブラインドを上げ、青い鳥を見つめる。
青い鳥はそれまで御堂が見えるほど高く飛んでいたが、御堂が窓際に寄ると急に下のほうに飛んでいった。除き込むように、窓の外を見れば、サラリーマンなどが忙しなく動いている。
その中で、青い鳥は誰かについていくかのように、一人の人物の回りを飛んでいた。
(彼は……)
御堂が見た先には、体格が大きめな男に引っ張ってこられたかのように後ろから付いてくる青年に目が向けられていた。
彼らが視界から消えても、外を見て考え事をしているとドアをノックする音がする。
御堂が一言「なんだ?」というと、若い女子社員が入ってきた。
「御堂部長に会いたいと仰ってる方々がいらしてるのですけど。」
緊張しぎみに女子社員がいうと、御堂は眉をひそめ「断る。」と言った。
だが、そんな御堂の返答もむなしく部屋の前まで来ていた客の一人が大声で入ってきた。
「ちょっと、まってくださいよ!!用件くらい聞いてもいいでしょう!!」
先程、外を歩いていた体格が大きいほうの男が怒鳴りながら入ってきた。
この男がいるということは……
「ちょっ、本多!急に失礼だよ!」
本多という男の後ろから声をかけたのは、あの中年男に責められていた男だった。
これが、佐伯克哉という男との出会いだった。
「青い鳥」②へ
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「青い鳥」いかがでしたでしょうか?
拍手お礼の小説を書いてから続きを書こうと思っていたので、
「幸せの青い鳥」は意味深に終わらせました。
「幸せの青い鳥」は序章みたいな?
今度は克哉の切ない話を書きたいと言っていたけど、
また御堂さんが切なくなりそうです。
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(拍手設置が上手くできなくてこんなになりました。。。笑)