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「恋は思案の外」
御堂さんのお見合い話になります。
後編では、御堂さんの両親が出てきます。
そしてMr.Rも出てきます。
今回は克哉さんが女装なるものをするのでOKな方のみお読みください。
では続きもしくは、下に下がって呼んでください。
――本当にそれでいいんだろうか?――
克哉は公園のベンチで座りながら考えていた。
日曜のよく晴れた公園では子供が遊び回っている、カップルもデートをしている。
そんな中、公園で俯いてるのは克哉だけだった。
(本当にいいんだろうか?御堂さんがオレのために見合いを断ってくれたことは嬉しい。
御堂さんはどうなんだろう。この先ずっと結婚しないわけにもいかない。それに御堂さんのお母さんは孫の顔を見たいとか言っていたし、オレなんかがいたら御堂さんにも、御堂さんの家族にも迷惑になってしまう。けど……)
今日は御堂の見合いの日だった。御堂は用事があると言って昼過ぎに出掛けていった。気をつかったのだろうが、嘘にはかわりない。
そして、御堂が家をでてすぐに克哉もでて公園にいた。
そして、かれこれ1時間くらい悩んでいた。悩みすぎて頭がおかしくなりそうなほどに。
「なにかお困りですか?佐伯克哉さん。」
名前を呼ばれ、顔をあげると、以前克哉に眼鏡をわたしてきたMr.Rがいた。
「……Mr.R」
いつも神出鬼没な人であったため、何度か会ってる克哉はもう驚かなくなっていた。
「別に……何も…ありません」
「そうですか?なにかとてもお困りのようにみえる。」
困り事は事実だし、歯切れの悪かったせいもあり、今の言葉に反論はできない。
「あなたなら、わかるでしょう?」
観念したのか、本当のことを話せないのか克哉はこう言うしかなかった。
「わかるといえばわかります、わからないといえばわかりません」
「……?」
克哉にはその意味がわからない。
「人の心とは変わります。今日はこうであっても、明日には変わっているかもしれない。人の考え方もそれぞれです。あなたがそう思っても相手は違うかもしれない。自分に合わせるか相手に合わせるかはあなた次第。要はあなたの気持ち次第ですよ。」
「おれの……気持ち……」
「えぇ、あなたの気持ちです。」
(オレは……オレはどうしたい?……そんなの、決まってるじゃないか!)
克哉は少し俯いたが、直ぐに顔をあげ決心したように立ち上がる。
「Mr.Rありがとうございます。」
「いえ、私は何もしていませんので。」
Mr.Rは微笑んで言う。
「いえ、でもありがとうございました。じゃぁオレ行きますね。」
「お待ちください、佐伯克哉さん」
克哉がMr.Rの横を通り過ぎようとすると、呼び止められた。
「これを、お渡ししておきます。きっと役にたちますから。」
そう言われて大きめな紙袋を渡された。
克哉は中を見るなり驚き、紙袋を覗いていた顔は上にむけられる。
「え!うゎ、ちょっと!Mr.R!!」
だけど、そこにはMr.Rの姿は消えていた。
少し前こと、あるホテルのレストランでは御堂のお見合いが始まっていた。
「孝典、こちらは伊能佐保子さんだ。」
御堂の父親が紹介をする。
「佐保子さん、初めまして御堂孝典と言います。」
「佐保子さんは25歳でな、○×会社の……」
佐保子は恥ずかしがりやなのか、まるで御堂の父と話している感じだった。
(25歳、克哉と同い年か)でも、御堂は違うことを考えていた。
見合いでは王道の、趣味や好きな食べ物、仕事の話などをした。
「さて、ではそろそろ若い者どうしで……」
そう言いかけた時、イスを引き立ち上がったのは御堂だった。
「お見合いのことですが、お断りさせていただきます。」
御堂は理由も言わず、深く頭を下げるだけだった。
なんとか納得してもらい帰ってもらえた。
「孝典どういうことだ!」
「そうですよ孝典さん」
御堂は両親から、耳がいたくなるほど怒鳴られた。
それに嫌気がさした、御堂は溜め息をついて、重い口を開いた。
「父さん、母さん、オレには決めた相手がいるんで……」
そう御堂が言っているとき、外が騒がしくなっていた。
窓から外を見れば、一人の女性を囲うように男が群がっていた。
「ちょっ孝典さん?!」
外を見たあと、何も言わず御堂は飛び出していった。
「あー御堂さん、どこにいるんだろう。というか、この人だかりは……っていうか、ついてこられてる?!」
克哉は後ろを向くと、数人の男がついてきていた。
(早く、御堂さんに会いたいのに。オレは……)
「克哉?!」
声をかけられ振り向くと、御堂がいた。
「御堂さん!」
克哉は探していた御堂が見つかり笑顔でふりむいた。
「克哉……その格好…は?」
「え〜と、その…これには訳があって……」
先程、公園でMr.Rに渡されたものはワンピースと靴、ロングヘアーの鬘と御堂の見合い先のホテルの地図が入っていた。
(Mr.R、やっぱりわかってたんじゃないか…)
克哉がMr.Rのことをどう説明しようか考えていると、御堂がボソリと言った。
「克哉、可愛いな」
御堂の顔を見れば、照れていて克哉を直視できなさそうだ。
男の自分に可愛いと言われても、反応に困り克哉は苦笑するしかない。
「克哉、その後ろの奴らは?」
照れていた顔はどこへいったか、今度は冷酷な顔をして克哉の後ろの男たちを見る。
「えっとわからないんですけど…何故かついてきていて?」
「ほぅ。」
御堂は男たちを睨み付ける。
それに恐れたのか、男たちは逃げるようにして走っていった。
「御堂さん」
「なんだ?」
「あの、オレ…御堂さんがお見合いするのなんか嫌なんです!!オレの我が儘……なんですけど、オレは御堂さんと一緒にいたいから……御堂さんの迷惑でないなら……」
最後は弱気になってしまった。
黙って聞いている御堂を恐る恐る見ると、驚いてはいるが答えが読み取れない。
克哉がスカートを握り締めながらまた俯くと、急に抱き締められた。
「克哉……」
「み…どうさん?」
「迷惑なんてことがあるわけがない。克哉ありがとう。」
克哉は泣きそうになった。
だが深く抱き締めあっていたが、急に御堂が克哉の腕を掴み走り出した。
「ちょ、御堂さんっ?!」
「父と母に会ってくれ。」
「え?待って、オレこんな格好だし」
「克哉、『オレ』ではなく『私』だ。それにその格好も丁度いい。」
御堂は愉快に笑いながら、困る克哉を親の元へ連れていった。
この後、御堂が克哉の事を『佐伯克美』と紹介したのも、2人の中が認められたことも言うまでもない。
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「恋は思案の外」後編どうでしたでしょうか?
2話完結!!
シリアスにはせず、最後はギャグめにしてみました。
克哉を女装させたいがために、この話を書きました(笑
「恋は思案の外」の意味は『色恋というものは人の理性をおかしくさせる。だから、常識や普通の考えではとうてい理解できないものだということ』だそうで。
私の勝手な解釈で、克哉を女装させました。だって普通じゃしないでしょ?笑
Mr.Rという人物に苦戦。。。
いまいちどんな人物かつかめません。。。
最後におまけで、克哉の女装姿絵です。
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文句は受け付けません。自分でも十分痛いと思っています(笑
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(拍手設置が上手くできなくてこんなになりました。。。笑)