ここは廻の個人ホームページ(ブログ)です。
取り扱っている作品は、鬼畜眼鏡(主に御克)・銀魂(主に沖神)・鋼錬(主にロイアイ)・純情ロマンチカ(テロ)・ダーリンは芸能人です。
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純情テロリスト「5年目の恋」
忍と宮城の突然の別れ。
なにも告げず去っていった忍に宮城は・・・
4年後に、再び忍と出会う。
こんな話の予定。
続きもしくは下に下がってお読みください。
忍と宮城の突然の別れ。
なにも告げず去っていった忍に宮城は・・・
4年後に、再び忍と出会う。
こんな話の予定。
続きもしくは下に下がってお読みください。
何度も見るそれは
お前の気持ちを教えてくれる。
だけど、文字で綴られていては本当のことも嘘のこともわからない。
お前の言葉で
お前の口から聞きたいんだ
『5年目の恋』⑦
「宮城さん?」
考えごとをしていると声をかけられた。
「はい……あ、美和…さんでしたっけ?」
声をかけてきたのは忍の婚約者の美和さんだった。
「はい。」
嬉しそうに笑う彼女。
正直今、彼女と会うのは辛い。
だけど、そんな俺の考えも知らない彼女は隣に座った。
「宮城さんは忍くんのお姉さんの旦那さんだったんですね。」
「え、えぇ…」
忍が話したのか?
「なんかすごい偶然ですね!」
「そ、そうですね…」
すぐに俺は帰ろうと思ったが彼女が話続けるので帰るタイミングが掴めなかった。
「はぁ…」
「どうかしたんですか?」
先程まで楽しそうに話していた彼女の顔に影がさした。
「私…忍くんの婚約者になったのはついこないだなんです。」
「は?」
俯きながら彼女は語る。
「一度でいいから日本で文学に触れてみたいって言ったら忍くんが連れてきてくれて…だけど、急に忍くんのお父様に、婚約者になってくれって言われて……」
忍としっかり付き合うとかもなしに、学部長にお願いされて婚約者になったのだと、彼女は苦しげに言った。
でも忍はそれを拒まなかったと。
「でも忍が拒まなかったなら、あなたとそうなってもいいと思ったんですよ。」
ズキッ
心が痛い…
自分で言った言葉なのに、
その言葉で心を抉られる。
「でも忍くん、好きな人がいるんです!」
彼女は目に涙を溜めて言った。
「忍くんが留学してきた4年前、彼は毎日とても悲しそうな表情をしていました…。最初こそ、私なんか近づけるわけもなくて…。だけど忍くんが文学の本を読んでて、私と忍くんの繋がりができました。忍くんは私に文学の事を教えてくれて、忍くんに文学のことを教えてくれた人の事も話してくれました。だけど忍くん……」
我慢できなかったみたいで、涙を流してしまった。
「忍くん…その人の事を話す忍くん、苦しそうなんです。いつも切なそうに話していて……、忍くんは言わなかったんですけど、すごくその人を想ってるのがわかるんです。」
「………でも…4年も経ってれば……忍の気持ちだって……」
「でも、日本に来るとき私にくれたあの本をずっとずっと、あの時と同じ表情で見つめていたんです。」
泣く彼女にかける言葉もない。
話しかけられないまま、時間だけが過ぎていく。
泣いていた彼女も落ち着いたのか、今は少し恥ずかしそうにしている。
「すみません……私…」
「いえ、大丈夫ですよ。」
少し、笑えば安心したのか彼女は立ち上がった。
「すみません、話し込んでしまって。私そろそろ帰らなきゃいけないので…」
「そうですか。」
彼女は帰っていった。
「はぁぁ」
一気に力が抜けた俺は、椅子の背もたれに倒れかかった。
今は足が動かない。
いろいろ頭に考えがぐるぐるしてて。
ポケットにぐしゃぐしゃに丸めた紙を取りだし皺を伸ばす。
今日何度も読んだその手紙。
4年前から何度も何度も穴が空いてしまうんではないかと思うほど読んだ手紙。
もう内容だって一言一句間違えずに覚えてしまったが、いつも気が付けば読んでいた。
4年前の忍からの手紙。
本当は俺の元に届けられることはなかっただろう。
2つに破られ、中の字は少し滲んでいた。
俺の部屋のゴミ箱に捨てられていたソレは
忍が離れていった理由を俺に教えてくれた。
「5年目の恋」⑧へ。
************************
久々に「5年目の恋」です!!
自分でも前小説の内容忘れてて昨日読み返してました(´ε`)ゞ笑
そろそろ完結かな?と思います。
いや、今日の内容では…どうだろ?
お前の気持ちを教えてくれる。
だけど、文字で綴られていては本当のことも嘘のこともわからない。
お前の言葉で
お前の口から聞きたいんだ
『5年目の恋』⑦
「宮城さん?」
考えごとをしていると声をかけられた。
「はい……あ、美和…さんでしたっけ?」
声をかけてきたのは忍の婚約者の美和さんだった。
「はい。」
嬉しそうに笑う彼女。
正直今、彼女と会うのは辛い。
だけど、そんな俺の考えも知らない彼女は隣に座った。
「宮城さんは忍くんのお姉さんの旦那さんだったんですね。」
「え、えぇ…」
忍が話したのか?
「なんかすごい偶然ですね!」
「そ、そうですね…」
すぐに俺は帰ろうと思ったが彼女が話続けるので帰るタイミングが掴めなかった。
「はぁ…」
「どうかしたんですか?」
先程まで楽しそうに話していた彼女の顔に影がさした。
「私…忍くんの婚約者になったのはついこないだなんです。」
「は?」
俯きながら彼女は語る。
「一度でいいから日本で文学に触れてみたいって言ったら忍くんが連れてきてくれて…だけど、急に忍くんのお父様に、婚約者になってくれって言われて……」
忍としっかり付き合うとかもなしに、学部長にお願いされて婚約者になったのだと、彼女は苦しげに言った。
でも忍はそれを拒まなかったと。
「でも忍が拒まなかったなら、あなたとそうなってもいいと思ったんですよ。」
ズキッ
心が痛い…
自分で言った言葉なのに、
その言葉で心を抉られる。
「でも忍くん、好きな人がいるんです!」
彼女は目に涙を溜めて言った。
「忍くんが留学してきた4年前、彼は毎日とても悲しそうな表情をしていました…。最初こそ、私なんか近づけるわけもなくて…。だけど忍くんが文学の本を読んでて、私と忍くんの繋がりができました。忍くんは私に文学の事を教えてくれて、忍くんに文学のことを教えてくれた人の事も話してくれました。だけど忍くん……」
我慢できなかったみたいで、涙を流してしまった。
「忍くん…その人の事を話す忍くん、苦しそうなんです。いつも切なそうに話していて……、忍くんは言わなかったんですけど、すごくその人を想ってるのがわかるんです。」
「………でも…4年も経ってれば……忍の気持ちだって……」
「でも、日本に来るとき私にくれたあの本をずっとずっと、あの時と同じ表情で見つめていたんです。」
泣く彼女にかける言葉もない。
話しかけられないまま、時間だけが過ぎていく。
泣いていた彼女も落ち着いたのか、今は少し恥ずかしそうにしている。
「すみません……私…」
「いえ、大丈夫ですよ。」
少し、笑えば安心したのか彼女は立ち上がった。
「すみません、話し込んでしまって。私そろそろ帰らなきゃいけないので…」
「そうですか。」
彼女は帰っていった。
「はぁぁ」
一気に力が抜けた俺は、椅子の背もたれに倒れかかった。
今は足が動かない。
いろいろ頭に考えがぐるぐるしてて。
ポケットにぐしゃぐしゃに丸めた紙を取りだし皺を伸ばす。
今日何度も読んだその手紙。
4年前から何度も何度も穴が空いてしまうんではないかと思うほど読んだ手紙。
もう内容だって一言一句間違えずに覚えてしまったが、いつも気が付けば読んでいた。
4年前の忍からの手紙。
本当は俺の元に届けられることはなかっただろう。
2つに破られ、中の字は少し滲んでいた。
俺の部屋のゴミ箱に捨てられていたソレは
忍が離れていった理由を俺に教えてくれた。
「5年目の恋」⑧へ。
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久々に「5年目の恋」です!!
自分でも前小説の内容忘れてて昨日読み返してました(´ε`)ゞ笑
そろそろ完結かな?と思います。
いや、今日の内容では…どうだろ?
UP2009.02.13
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