ここは廻の個人ホームページ(ブログ)です。
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純情テロリスト「シーソーゲーム」
仕事で忙しいと宮城に部屋を追い出された忍。
宮城に近づくにはどうしたら・・・
大人になるのはどうしたら・・・
そして、忍がとった行動とは?
そんなお話。
「続き」もしくは下に下がってお読みください。
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純情テロリスト「シーソーゲーム」【後編】
「続き」もしくは下に下がってお読みください。
[10Day]
昨日の生チョコの失敗は分からず終い。
何がいけないんだ?!
今日作ろうとしてるのはトリュフで、さらに生チョコの応用編だというのに……
生チョコさえ上手く作れないのにトリュフなんて作れるわけ……
ううん!!弱気になったらダメだっ
宮城に絶対美味しいって言わせてみせるんだから!!
すでに、恋情ではなくただの闘争心でチョコ作りに励み始めた。
「えーと、トリュフは生チョコと作り方は途中まで一緒だから……」
………………
………………
「って言っても……チョコ固まらないし…なんでまた液体なんだ?」
昨日と同じようにまた生チョコもどきは液体で完成した。
「固まらなきゃ、進めねぇんだよ……どうすれば………」
………………
……………!!
キッチンを見渡すとあるものが目についた。
「まぁ、料理用だし……体に害はないよな…」
それを手に取り、チョコに加え冷蔵庫に入れた。
暫くし冷蔵庫から取り出すと見事に固まっていた。
「やった!固まった!!」
固まったチョコの形を整え、溶かしたチョコでコーティングをしココアパウダーをかける。
見た目は今まで以上に上出来!!
見た目がこれなら味も大丈夫なはずっ!
「…うっ……」
一口食べるとチョコでない食感と粉の塊が出てきた……
「うへっ、まずっ!ぺっ」
せっかく片栗粉で固めたのに…
チョコの食感がグミともゼリーとも違う、ぶにっとしたあんかけなどのとろみが失敗して一ヶ所だけ固まってしまったような、そんな感じ……
チョコとは程遠い……
[11Day]
「はぁ…」
さすがに失敗を3回も繰り返すと落ち込んでくる。
どれ一つとて上手に完成しない。
今も溜め息混じりで作っているわけで。
今日はガトーショコラ…
俺には超難題。
誰かが料理は科学と一緒だとか言ってたけど、俺はセンスだと思う。
じゃなきゃ、俺に作れないわけがない……
「はぁ……(´Д`)」
溜め息が止まらない。
「えーっと、後は……180℃のオーブンで30分と……」
オーブンに作った生地を入れ焼き上げる。
30分、何もやる気が起きずただオーブンを見つめていた…
チーン
「あ、焼けた…」
焼けたものを取り出す。
「おっ、ちゃんと膨らんでんじゃん!………!?」
と思ったら風船の空気が抜けたように萎んでいった。
「…………」
なんか俺の心情を表すのかのようにケーキは凹んでいった。
「…また失敗……」
普通のチョコもダメ、生チョコもトリュフもダメ。
「何にもあげられないじゃん………」
気分は下降。
でも一応ケーキの味見をみてみる。
…………!!
「………おいしい…」
このケーキ、普通に食べられるくらいおいしい。
なんで?
凹んだのに
失敗したのに
夢かともう一口食べれば、やっぱおいしかった。
「これって成功じゃん。」
見た目は悪いけど味はいい。
考えるこもなく、本番にはこれを作ろうと決めた。
UP2009.02.12
[12Day]
なんだ?
俺何かしたか?
最近忍がまったく家に近よりゃしない。
メールをすれば返事は返ってくる。
“忙しい”という言葉とともに。
まぁ忍も大学生で忙しいだろう。
俺も論文の採点で忙しい身。
だが、忍に会えないお陰でいつも以上に仕事が進まないのは気のせいではないだろう。
とりあえず今は集中し仕事を片付けて様子でも見に行くか。
[13Day]
とうとう、バレンタイン前日。
宮城に贈るものも決まった。
練習だってした。
完璧……まではいかないけど、失敗してもいいように材料を余分に買うつもりだ。
本番が明日かと思うと何故か緊張してくる。
渡すシュミレーションも出来てる。
だけど、なにか忘れてるような。
「あ、あの、忍くん!」
声をかけられ振り向くと女の子がたっていた。
「あの、コレ。」
言葉とともに渡されたのは可愛らしく飾られた箱。
「バレンタイン明日で、…明日学校ないから…そのチョコを受け取ってもらいたくて!!」
恥ずかしそうに女の子はチョコを渡してきた。
受けとると女の子は走って帰ってしまった。
受け取ったチョコを見て思う。
「俺、ラッピングとか考えてなかった……」
チョコ作りに夢中で、ラッピングのことなんか…
まっ、ガトーショコラだし、ラッピングはいらない……よな。
作ってそのまま渡せばいいし。
だけど、何故かしっくりこない。
だって俺のシュミレーションは……
俺は急いで、雑貨屋に向かった。
2009.02.13
とうとう今日がバレンタインデーだ。
計画はバッチリ!
早起きし、シュミレーションを繰り返し、準備をする。
よし準備はOK!!
まだ時間は12時前だ。
なにかあっても夕方には作り終えるはず。
さっそく、チョコ作りに取りかかった。
――数時間後――
「あ"ーー!!また失敗したっ」
本日何回目かになるガトーショコラの失敗作…
何故だ……こないだは成功(?)したのに……
見た目どうこうの前に、食べれるものじゃない。
作る度に、固かったり柔らかかったり、中身が生焼けで回りはこげてたり。。。
「はぁ…」
ゴミ箱には失敗の山。
それを見ると溜め息が出てくる。
「……よし、やるか…」
まだまだ、材料も時間もある。
自分の納得いくまで、作るか。
――さらに数時間後――
「……………」
………………
「…………どうしよう」
いろいろどうしよう。
成功しない。
時間がもうない。
それよりも……材料がない……
なんか悲しくなってきた。
もう時間も夜10時を回ってしまった。
宮城も朝から大学に行ったっきり帰ってこないし。
「あーー」
疲れて椅子に座り込む。
チョコの本をパラパラ見ながら、ため息ひとつ。
「はぁ……。……………あ。」
今、気になるページがあった。
「これ……」
見つけたページ。
それは今ある材料でも作れるもの。
それに俺でも……
「あー、疲れた。」
今日は講義もない土曜日に出勤してた。
それは、ここのとこまったく仕事が捗らなかったから。
しかも今日中に終わるのか?ってくらい、溜まってるし。
忍の顔を見たい、そんなことばかり考えてしまう。
とりあえず、今日頑張って明日の日曜日は忍とすごそう。
そう思うと少しはやる気が出てきた。
「よし、やるかっ」
残りの仕事に手をつける。
コンコン
しばらくすると、部屋をノックする音がした。
上條は帰ったし、学生がいる時間でもない。
守衛さんの見回りか?
「はい。」
とりあえず、返事をするとそれに答えるように扉が開いた。
「…忍?」
扉を開けたのは忍だった。
「よ、よう…」
「どうした、こんな時間に?」
いつもはノックすらしない忍が、少し挙動不審ぎみに入ってきた。
「宮城、まだ仕事終わんねぇの?」
「ん?あぁ。まだ残っててな。……忍用事は?」
「っ!!」
今の言葉に少し驚きそのあとムッとした。
俺なにかまずいこと言ったか?
「べ、別にいいだろ!」
何故か今度は顔を真っ赤にして、「仕事してろっ」と叫びだした。
まったくわけがわからない。
来た理由も分からないし。
少し忍を見てたら、睨まれて大人しく仕事を続けることにした。
コトッ
机に置かれたものに目をやると温かそうな飲み物が置いてあった。
「ん?」
「これ、飲め。」
忍を見ると顔を真っ赤にしている。
「チョコレートドリンク。……今日バレンタインだからっ///」
あ……
そうか、今日は2月14日か。
忘れてた。
休憩がてら、ソファーに一緒に座り飲むことにした。
「お、うまいなコレ。」
「ホントッ!!」
忍はパッと上を向き嬉しそうな顔をした。
「あぁ。…忍、その箱は?」
忍の横に少し隠すように置いてある箱に目がついた。
「え、あっ、コレはなんでもねぇっ!」
箱を無理やり鞄に詰め込もうとした。
「なんだよ、気になるな~」
「わっ、やめろ」
隙をついて忍から奪い取った。
開けると中には、黒くぼこぼことした物体が入っていた。
「なんだこれ?」
「失敗したんだよっ」
また箱を取られてしまった。
「失敗したって、何を?」
「……ガトーショコラ……」
「へぇ、忍が作ったんだ。それはくれないのか?」
「きっと…不味いし……」
そう呟くと鞄にしまおうとした。
「待て待て待てっ!俺に作ってくれたんじゃないのか?それに不味いかどうかは俺が決める!」
また忍から奪い取ると、暴れる忍を抑え箱を開ける。
見た目はたしかに、悪い。
だが、黒くなるまで焼いたなら生焼けということはないだろう。
不味いかどうかを決めるのは俺だと言ってしまった手前、食べる他なく。
今までの忍の料理がアレなわけだから心なしか食べるのが怖い。
「宮城無理しなくてもいい…」
俺の考えを読まれたのか、忍は下を向いてしまった。
「い、いや食べるさ。」
いざ一口、口にするとそれは、
「うまい……」
「ほらやっぱ不味いだろ………え?」
「いや、だから忍、コレ美味しい…」
確かに美味しい。
見た目は悪いが、チョコの甘さと焦げの苦さでとても美味しい。
「き、機嫌とろうとしてんじゃねぇよっ!!」
「何?!本当にうまいぞっ。だったらお前も食ってみろっ!!」
信じようとしない忍の口にケーキを突っ込んだ。
「ほら、美味しいだろ。」
「………うん。少し苦いけど。」
「忍ちんはまだ子供だね~。その苦さが良いんですよ!」
「そんなものか?」
そうそう、と言いながら忍の頭を撫でる。
「そうだ忍ちん。もっと美味しく食べる方法あるんだけど。」
「なんだそれ?」
「忍ちん協力してくれる?」
「??……まぁ、美味しくなるなら……」
「よし、じゃぁはいっ」
そう言い、口を開ける。
「??……なんだよ?」
「忍ちん食べさせてよ。」
「は?なんで俺がっ!!」
顔を真っ赤にさせる忍が可愛い。
「協力してくれるんだろ~~?」
「…じゃぁ、宮城もやってよ…」
「それはお安いご用♪」
恥ずかしそうにケーキを食べさせてくれる忍ちんがバカ可愛いくて、逆に忍を食べてしまいたいなんて思ってしまった。
だけど、こんな初々しい反応を見せてくれる忍も見ていたくて、チョコレートドリンクが冷めてしまうまで、甘い甘い時間を過ごしてしまった。
おわり。
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グダクダから始まった話なのでグダクダに終わりました(´Д`)ゞ
忍ちんメインの話だったのに、最後宮城だし。。。
結局のとこ、バレンタインはチョコレートドリンクをメインにもってこうと思ったらガトーショコラがメインに来てしまいました(´ω`)ゞ
宮城めΣ(´Д`) ←八つ当たり(笑)
グダグダでしたが、このお話にお付き合いくださりありがとうございました!!
UP2009.02.14