千思万考 「逆の気持ち」 忍者ブログ
ここは廻の個人ホームページ(ブログ)です。 取り扱っている作品は、鬼畜眼鏡(主に御克)・銀魂(主に沖神)・鋼錬(主にロイアイ)・純情ロマンチカ(テロ)・ダーリンは芸能人です。 鬼畜眼鏡・テロ中心に活動しています。
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鞘サマよりリクエストしていただいた、純情テロリスト「逆の気持ち」
鞘サマのみお持ち帰りはOKです。


では、続きもしくは下にさがってお読みください。
































カチカチカチ・・・

静かな部屋に時計の針の音だけがそのものの存在をあらわす。
だが、今この研究室には2人の青年がいる。
静かに、お互い話しかけることなく、向い合せに座り一切目を合わせない。


カチカチカチ・・・


(宮城の野郎遅いな・・・)

苛立ちを隠せない忍は眉間に皺を寄せ、足をばたつかせる。
忍の目の前に座る男は、穏やかに静かに待つのを楽しそうにしているように見える。
それがまた忍をイラつかせる原因の一つでもある。
きっと目の前にいる男は、助教授の・・・、と検討がついているからこそ腹が立つ。
いつも仕事で仕方がないからといえど、宮城と弘樹が一緒にいるのが気に食わない。
毎日気が気ではない自分とは反対に、目の前にいる男は平気なのか?!と怒鳴りつけたいほどに怒りを感じている。
だけどそれをしないのは、この人にまったく非がないから。
むしろ悪いのは宮城だと思っている。
いつもいつもふざけた業務連絡とか言いながら、弘樹に抱きついているのをもう幾度となく見てきた。
その度に宮城に怒鳴りつけるが、丸めこまれるように怒りを抑えられてしまう。

(宮城・・・俺が嫉妬しないとでも思ってるわけじゃないよな・・・宮城も一度くらい・・・・・・・・・嫉妬してくれても、いいじゃんか・・・・)

どれくらいの時間が経っただろう、2人の待ち人は未だに来ない。

(暇だな・・・)

さすがに暇になってきた忍は研究室のなかを物色し始めた。

(古い本ばっかだな・・・あ、この本・・・)

グラッ

「え?」

忍が一冊の本を取ろうとしたとき、本の山がバランスを崩し、忍のほうに雪崩れてくる。
突然のことで身動きの取れなかった忍は目をつぶることしかできない。

「危ないっ!!」

声とともに押し倒された。
が、倒れた痛みは少しあるが、本が落ちてきた痛みはない。
むしを温かさが体を包みこんでいる。宮城より大きく包容力のある腕。

「大丈夫ですか?怪我とかありませんか?」

目を開ければ、目の前には先ほどまで目も合わせていなかった男の顔があった。

「だ、大丈夫・・・」

「駄目ですよ、勝手にいじっては。でも怪我がないなら良かったです。」

男は安心というふうに、忍の頭を撫でる。

「っな?!触るなっ!!///」

「あ、すみません。つい癖で・・・。・・・イテテ・・・」

忍に怒鳴られ、男はその場から立ち上がる。だが、雪崩れた本により背中をぶつけたせいか、痛そうにおさえていた。

「あ・・・ごめん・・俺のせいで・・・」

「大丈夫ですよ、あなたが無事なら。そういえば名前を伺ってなかったですね、なんと仰るんですか?」

「高槻忍」

「忍くんですね。俺は草間野分と言います。」




という、流れをしらない俺が、扉の隙間から見ていた。
ドサッと音が部屋からしたから、また本でも倒れたのかと部屋を覗けば、床に倒れる2人。
草間野分と上条・・・ではなく忍だった。

(っ!?あいつらなにやって!!??)

押し倒されてる忍、頭を撫でられ照れてる忍、楽しそうに草間くんと話す忍・・・
いったいなにが起きてるんだ・・・
なぜ忍と草間くんが・・・?

「教授?部屋に入らないんですか?」

「か、上条?!」

中を覗いていたら、後ろから上条が来ていることに気がつかなかった。
この状況はヤバいのではないか?
上条と彼は恋人同士であって・・・俺も忍と・・・

イラッ

先ほどの押し倒されている忍を思い出し胸がムカムカする。

バタンッ

いきおいよく扉を開ける。
扉を開ければ、何事もなかったかのように2人はソファに座っていた。

「野分、来てたのか?・・・げっ・・・」

上条が見た先には睨みつけている忍がいた。

「宮城・・・またソイツといたの?」

「ソイツって・・・仕事なんだからしょうがないだろ?それにお前だって・・・」

「ん?なんだよ??」

「いや、なんでもない・・・」

なんでこんなにイライラしてるんだ?





「ただいま」

結局あのあと忍を追い出し、仕事に集中・・・しようとしたがあの場面が思い出されて仕事どころではなかった。

「おかえり」

むすっとしていても忍は「おかえり」と出迎えてくれた。もしかしたら部屋にいないのではないかとも思ったが、いてくれた。

「なんで今日、大学に来たんだ?」

「行っちゃ悪いかよっ?!」

「悪いというか、来るなら連絡くらいいれろといつも言ってるだろ?」

「・・・連絡なきゃ、またあの助教授と・・・」

「は?なんか言ったか?」

俯き小さな声で忍が言ったためなんと言ったか聞こえなかった。

「だから!!どうせまたあの助教授とイチャつくんだろ?!」

イチャつく?俺が上条と?
それよりも忍のほうだろ・・・
また今日見たことを思い出してムカムカする。

「お前だって草間くんとっ!!」

「は?俺がなんだよ!!??」

「いや・・・なんでもない・・・」

「また、それかよ!!言いたいことがあるなら言えよ!!」

「なんでもない!!俺は疲れてるんだ、もう帰れ・・・」

「宮城の馬鹿野郎っ!!」

忍は大声を出すと、バタバタと部屋を出て行った。
俺はなにをしてるんだ・・・
だけど、あんな場面を見てしまうと、むかつきがおさまらなくて・・・
なんでこんなにイラつくのか・・・まるで嫉妬してるように・・・

嫉妬?

俺があんなガキに?
そんなわけ・・・

「ははは・・・そんなわけあるか・・・疲れて変なことばかり考えてしまうな・・・」

疲れてる頭で考えるものじゃないな。


それから数日後、あれ以来忍とは会っていない。
忍は意地になってるのか俺の部屋に来ようとしない。俺も意地になっているせいか連絡すら取ろうとしない有様だ・・・
なんて俺は幼稚なんだろう。

ドサッ

また研究室から物音がする。
最近特に学会用の資料とかいって沢山古書を集めたからな。

ガチャと扉を開けば、目の前には目を疑うような光景があった。
忍が、また草間くんに押し倒されている。
俺は悪夢でも見ているのだろうか?
それに心なしか、忍の手が背中に回されているように見える・・・

バタンッ

扉を勢いよく開けると、驚いた2人が離れる。

「宮城?!」

驚いた忍は目を見開いたまま、自分の状況などお構いなしかのように。

「なにしてんだ2人とも?」

自分でもわかる、きっと俺の顔は怒りに満ちているだろう。
嫉妬だろうがなんだろうがそんなもん認めてやる。
忍が他の男と抱き合ってるのなんて見たくもない。

「は?何って・・・」

自覚がない忍にイラつき、グイッと腕を引っ張ると研究室から連れ出す。

「おいっ!!宮城!!どこに行くんだよ!!」

なにも言わず俺は、忍の腕を引いたまま空き教室に入る。

「痛っ」

教室に入ると、壁に忍を押さえつける。背中の痛みに忍の顔が歪むがそんなのは関係ない。

「研究室でなにをやってた?」

「は?」

まだ俺がなにを言いたいのかわからないという風に忍は訝しげに見つめてくる。
なんでわからないんだ。この俺が嫉妬をしているというのに。
イラついて、草間くんに奪われたかもしれないと思って嫉妬むき出しに引き剥がしてきたのに。

「宮城?・・・え?んぅ」

キョトンとした忍にもう何も考えられなくなって、俺の名を呼ぶその口を塞ぐ。

「ぅ・・んん・・・みや、・・・」

「忍・・・俺よりも草間くんのほうがいいのか?」

「何言って?」

「さっきも・・・こないだも草間くんに押し倒されてただろ・・・」

「ちがっ!!それはっ!!」

「草間くんがいいなら・・・俺は・・・」

「宮城っ!!」

忍の大声とともに、押し倒される。
倒れた時の痛みで目をつむったが、開くと目の前には涙をためた忍が俺を見下ろしていた。

「な、んでそんなこと言うんだよ!!ぐすっ・・・」

「・・・忍?」

「さっきのは・・・あの人に助けてもらっただけで・・・うっ・・・、本が雪崩れてきたから・・・、俺が悪くて・・・ぐすっ・・・」

先ほどの状況を忍は泣きながら一生懸命に説明してくれる。
草間くんに押し倒されていたのは、本雪崩があってそれをかばってくれたからだと・・・
今日のことも、あの日もそうだったと忍は話してくれた。
理由がわかれば、俺の嫉妬も馬鹿らしいことだと思ったが、嫉妬をしたのは本当のこと。

「すまん・・・忍。その・・・嫉妬した・・・」

「し・・っと?宮城が?本当に?」

「あぁ、本当だ・・・何度も言わせるな・・・」

目に溜まっていた涙をボタボタと流すと、忍は俺に抱きついてきた。

「宮城ぃ・・・」

本雪崩なんていつも俺がふざけた業務連絡といって上条にしていることと同じだ・・・
いつもは、嫉妬する忍に呆れたり、なんで怒るのかわかっていなかったが、確かに好きな奴が他の奴と抱き合ってるのを見たらムカつくし、嫉妬だってする・・・
忍はいつもこんな気持ちをしていたのか?
そう思うと申し訳なくて、胸が締め付けられる。

自分もこんな思いをしたくなければ、忍にもさせたくないと思った。

今この腕の中に忍がいる安心・温もりがあるのがとても奇跡に思える。
この温もりを離さないように、きつくきつく忍を抱きしめる。




おわり


********************************************
鞘サマ!!
長らくお待たせしました!!
研究室で本雪崩が起きて押し倒されたように見える忍、それを見て嫉妬する宮城、はどうでしょう??
ギャグっぽさで行く予定が、なんやか軽くシリアス目になってしまいました!!
でも書いてるのが楽しくて、1日で書きあげることができました!!
ちょと、焦ってる宮城とは離れてしまったかもしれませんが、嫉妬宮城はだしまくりました!!笑
では、また機会がありましたらリクエストをお持ちしています!!
ありがとうございました><



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マンガ・映画鑑賞
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「廻」と書いて「めぐる」と読みます。
801系に手を手を出し始めたのは、2年くらい前です。
純情ロンマンチカの純テロ溺愛中ww
でもやっぱり、男女カップルもの大好きですww
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