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忍と宮城の突然の別れ。
なにも告げず去っていった忍に宮城は・・・
4年後に、再び忍と出会う。
こんな話の予定。
続きもしくは下に下がってお読みください。
俺は後になって後悔する事が多い。
気づくのが遅い。
いや、気づかないフリをしているのかもしれない。
気づかないフリをして、自分が傷つかないように・・・
だけど後で必ず後悔するんだ。
『5年目の恋』⑥
今日もあの公園に来てしまう。
あの席に座り、ただぼけーと風景を眺めながら。
今日が休日で良かったと本気で思う。
昨日の今日でまともに仕事なんかできそうもない、上條に迷惑をかけてしまうのは目に見えている。
もう2月も半ばか……
公園に咲く梅の花を眺めながら思う。
あいつが俺の部屋の隣に越してきた時と同じ季節だよな。
「ふっ………」
どこにいても想うのは忍のことばかり。
自分でも情けないくらいだと思う。
忍の婚約者にあって少なからず嫉妬をしていた。
あんなに素晴らしい娘さんなのに。
嫉妬なんて、忍があのオーストラリアの友人に笑いかけていたのを見た時以来だな。
忍への気持ちを軽く見ていた俺が、初めて目の当たりにした光景に恥も外聞も捨ててでも、あいつを取り返したい、そう嫉妬した瞬間だった。
俺はいつも気が付くのが遅いんだ。
『咲乱す 桃の中より 初桜』
忍を想い、自分が情けなく思う度に頭に思い出される句。
まるで俺みたいだ…
咲き誇る桃の花にすっかり気をとられ、気付いた時には桃に混じり初々しい初桜がほころび始めていた
まるで俺のよう…
忍が好きだ好きだと特攻をかけてきて、忍のいる居心地になれた頃、離れていくアイツを見て気が付いた。
俺の中には忍への確かな気持ちが芽生えていて。
忍の気持ち(梅)にばかり気をかけていたら、俺の恋心(初桜)に気付くのが遅かった。
あの時ほど何かを求めた事はないかもしれない。
忍のいる幸せ。
今でも俺の求めているもの。
あの句のように、あの時の俺のように、今もまだ気付けていないことがあるのかもしれない。
「はぁ…もうわかってるんだよ。」
わかってる、忍から離れなくちゃいけないことくらい。
きっとアイツは俺の気持ちに気が付いている。
俺が勝手に忍を想ってる分にはいい。
だけどアイツの邪魔になる気持ちだったらどうする?
婚約者がいるんだ…
『普通』の人と恋をしたんだ…
『普通』に自分を異端と思えて笑えてくる。
クシャ
今まで何度も読んでは、悔しくて握りしめられてきた紙はもうボロボロで、自分のよう。
異端でもいい
お前の本当の
俺が気づいてやれなかった気持ちを知りたいんだ。
UP 2009.01.30
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進展があまりしなかった6話目。笑
途中で出てきた句は芭蕉さんの句です。
前に図書館で借りた芭蕉本はこの句を使いたいばかりに借りたんです(´ω`)ゞ笑
あと何話で終るか不明になってきました。
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(拍手設置が上手くできなくてこんなになりました。。。笑)