ここは廻の個人ホームページ(ブログ)です。
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鬼畜眼鏡・テロ中心に活動しています。
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中槻が来なくなりました――――
『好きになってみようと思った。』
あ゛ーーー!!
俺は教育者として失格だーーーーー!!
苛々してたからといって、生徒にあんなことをっ!
って苛々してやることでもないっ
あの時の俺は何を考えてたんだ!?
あいつが他のやつと一緒に楽しそうにしてるのを見て、それが無性に腹立たしかった。
なんだ?
この気持ちは……
特に最近はあいつの事ばかり考えてしまうというのに…
これじゃぁ、なんかあいつにメロメロみたいじゃないか。
メロメロ?
「メロメロってなんだーー!!」
「失礼しま……あ゛ーー茨城先生何やってるんですか?!!!」
国語準備室の資料や本がバラバラ落ちるなか、部屋に入ってきた中條宏樹が叫んだ。
「まったく先生はいつもいつも物にあたるんですから!」
そうブツブツ言いながらも、中條は落ちたものを元に戻してくれる。
「俺、知らないもーん。」
「もん…てあんた……」
「先生どうかしたんですか?」
「いや、まぁ……なんだ俺、教師やってていいのかなって思い始めて…」
「はぁ?」
「あ、その、なんだ…気にせんでくれ!ただの気の迷いだ!!ハハハハハ……」
「はぁ、そうですか…。まぁ悩んでるようでしたら、自分のやりたい方にすすんだ方がいいですよ。あとあと後悔しても遅いですから。はい、先生頼まれてたものです。」
「ん?おぉ、サンキュー。」
中條は俺に渡す資料をおいて部屋から出ていった。
後悔といってもなぁ。
中槻のことをずっと考えてるのはこの際認めよう。
だけどあいつは生徒だぞ。
俺はあいつと付き合いたいとか、そんなこと思ってるのか?
いや……それは違う気がする。
恋愛感情があるか微妙だ…
あいつのことは生徒として見てるし。
中槻が部屋に来なくなって、もう数週間。
あと少しで春休みに入ってしまう。
授業中も目を会わせようとしない、廊下ですれ違っても俺のことを教師の一人として挨拶をしていく。
課題だってしっかり提出している。
あいつと関われることがなくなった。
「今日は、進路調査を行う。うちはエスカレーター校だが、他に進学もあるぞ。とりあえず現状での調査だから、あと1年存分に悩め。」
「俺、ここの高校でいいしー」
「私もー」
「お前ら世界は広いんだぞー。ここの高校に収まらなくたっていいんだぞー。ほらそこ相談しない。自分で書けー」
中槻はクラスが騒いでるなか、静かに窓の外を眺めていた。
もう進路調査表も書き終えたのか裏にしていた。
(あいつ、もう書き終えたのか。まぁ、そのまま進むのかな?)
「えーと、こいつはそのまま進学、こいつもこいつも…おぉ、あいつはS校志望か。」
回収した調査表を整理していた。
「ん?だれだオーストラリアなんて馬鹿な事を書いたのは?名前、名前っと………え……」
第一志望にオーストラリアとだけ書かれた調査表には中槻忍と名前がかかれていた。
オーストラリア?
あいつはふざけてんのか…
また、俺にかまってほしいとかか?
あぁ、まぁそうかそうか。
はははは、俺が気にやむこともなかったな。
進路調査から日がたち、あと一週間で春休みというとき。
「茨城くん、ちょっといいかね」
「理事長、どうかしました?」
「君には、息子のことでいろいろすまんな。急なことで驚いただろ。まったくあのバカ息子は。」
「何かありましたか?」
「え?聞いてないかね。あいつ明日の便でオーストラリアに戻るらしい。」
「オーストラリア…ですか?」
「あぁ、留学先だったものでね。」
理事長は“すまんね”と言って去っていった。
オーストラリアに戻る?
何故だ?
あの進路調査は冗談じゃなかったのか?
中槻――――
どこだ、どこにいる?!
まだ靴はあるから校舎にいるはず。
校舎中を探したが、どこにもいなかった。
もしかしたら国語準備室に来るかもしれないと思ったが、来ていなくて。
もう帰ってしまったのか
――あとで後悔しても遅いですから――
不意に中條の言葉が過る。
たしかに今、少し後悔している。
“何が”かはわからないが、心がそう訴えている。
2階の窓から中庭を見たら、そこには噴水のとこに座ってる中槻の姿があった。
「中槻っ」
2階から呼ぶとビクリと反応し、逃げようとしていた。
「中槻!逃げるなよ!」
そう言うと中庭まで急いだ。
中庭に行けば、まだ中槻の姿があり安心する。
「中槻…」
「ここ…さ……」
中槻が静かに話始めた。
「ここ、あんたと俺が初めて会った場所なんだ。」
「…ここが?」
学校の中庭で?
こいつとあったのは、街で話しかけられたのが初めてだと思ってたが…
「あんたは忘れてると思うけど、ここであんたがまだ小学生だった俺が中学生に苛められてる時に助けてくれたんだ。それから何度も街ですれ違うし、運命なんだって思った。」
俺が助けた?
記憶にない……
うちの生徒が苛めをしてるのなら止めるのは教師として当たり前だが……
だけど、あいつがそんな前から俺を想ってたなんて、正直嬉しい。
「でも、もうあんたに迷惑かけないから…」
その言葉におれば驚いていた。
――後悔しても遅い――
――自分のやりたい方に進んだほうが――
確かにそうだ。
さっきだって僅かに後悔していた。
これでこいつがオーストラリアに行ってしまったら、俺はどのくらい後悔するだろう。
きっと、こいつのことばかり考えてしまうだろう。
だったら俺の進みたい方へ――
じゃぁ、と立ち去る中槻の後ろ姿に声をかけていた。
「中槻、まだお前の事を好きかって言ったら正直わからない。だけどお前のことを好きになってみようと思った。」
「…………」
「それじゃぁダメか?」
“ダメか?”なんて聞いても、涙に堪えているこいつを見たら答えなんか分かっている。
「庸っ」
涙を溢れだしながら、中槻は抱きついてきた。
最初は邪険にしてたが、中槻が傍にいなくなって、正直寂しさがあった。
後悔なんて実は自分への言い訳で、こいつを離したくなかっただけかもしれない。
中槻忍
そいつは、俺中の押さえてたものを壊し、俺を少しずつ変えていく小さなテロリストだった。
第一部完
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愛テロ「好きになってみようと思った。」を読んでいただきありがとうございました!!
なんかいろいろ突っ込みたいこともありますが、弘樹さん出てきちゃうし。
公式の愛エゴ設定は無視してますので、名前だけ使ってます。
第二部の方の話をやりたくて第一部を書いちゃいました。
なんとか3話に収まりました。
まぁ短編の「純愛テロリスト」の続きと思ってくだされば嬉しいです。
第二部も続けて読んでいただければ嬉しいです。
ご意見ご感想などあったらうれしいです。
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(拍手設置が上手くできなくてこんなになりました。。。笑)
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