千思万考 「クリスマス」 忍者ブログ
ここは廻の個人ホームページ(ブログ)です。 取り扱っている作品は、鬼畜眼鏡(主に御克)・銀魂(主に沖神)・鋼錬(主にロイアイ)・純情ロマンチカ(テロ)・ダーリンは芸能人です。 鬼畜眼鏡・テロ中心に活動しています。
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純情テロリスト「クリスマス」



偶然街で出合った野分にクリスマスケーキを習うことにり、
その帰り道に宮城と弘樹に出会う。
怒った忍は・・・







続きもしくは下に下がってお読みください。




























そろそろクリスマスか。

街中はクリスマス一色になり、クリスマスの準備などで人が楽しそうにしている姿をよく見る。

俺だって、宮城とクリスマスを過ごしたいけどこないだクリスマスの予定を聞いたら、

『25日?普通に仕事だが。それに今は学会ようの資料作成とかで立て込んでてな。』

疲れた表情に笑顔を浮かべた宮城が答えた。
クリスマスの存在すら忘れている宮城に苛つきもしたが、なにより疲れている方が気になったから。

「ハァ、今度はケーキ作り頑張ろうと思ったのに……」

外からケーキ屋のガラスケースに並ぶケーキを見つめながらそう呟く。

「忍くん?」

急に呼ばれ振り向くと、草間野分がたっていた。

今この人を見ると、この人の恋人・上條弘樹が宮城を独り占めしてるかと思うとムカついてくる。
仕事だってわかってはいるけど、宮城があいつといるのは気に食わない。

「どうかしたんですか?眉間にシワがよってますよ。」

上條弘樹のことに苛ついてたら顔に出てたらしい。
そんなことも知らずに、草間野分は目の前でのほほんと笑顔を浮かべている。

「別に、なにもない。」

ぶっきらぼうに言えば、少し困ったのか次の言葉を考えているようだった。

別にとっとと行ってくれればいいのに。
ってか俺のことをほっといてくれればいいのに。

「ケーキ作るんですか?」

「え?」

「あ、クリスマスなんでケーキでも作るのかなって、宮城教授に。………あ、違いましたか?すみません。」

何も答えずにいると、不安になったのか謝りだした。
ただ、俺はなんでもお見通しなのかと驚いていただけなんだけど。

「宮城…クリスマス仕事だから…」

「…そうなんですか」

何を思ったか、俺は草間野分に話してた。

「ケーキ作ろうと思ったけど…俺、料理下手だし。どうせ宮城と過ごせないし…」

俺が愚痴るように話しててもこの人はいやがる顔ひとつせず聞いてくれた。

「では、ケーキ作りの練習でもしますか?」

「え?……い、今言っただろ。クリスマスは宮城と過ごせないって!」

俺は間違ったことを言ってないのに、草間野分はキョトンとした顔をしていた。

「はい。ですけど、クリスマス一緒に過ごせなくても、ケーキは次の日でも食べれますし宮城教授だって喜んでくれますよ。2人がいれば次の日だってクリスマスです。」

言ってることはちょっと意味が分からなかったけど、この人が言うように宮城と2人でいられれば別にクリスマスの日でなくてもいい。
ただ、2人でいる時間を過ごしたいから。





「いっぱい買いこんじゃいましたね。」


「多分、失敗するから。」

「がんばりましょうね。」

ケーキ作りは草間野分に習うことになった。
自分も上條弘樹に作るためその練習をするから一緒にって言われたけど、この人は練習なんてしなくても作れると思うから俺の為なんだと思う。

帰り道はケーキの作り方や料理について話したりしていた。


「忍?」

話してたら前方から宮城が来ているのに気付かなくて、声をかけられてやっと気が付いた。

「宮城………っ!!」

宮城の方を見れば、隣には上條弘樹がいた。

「ヒロさん!!」

「野分っ?なんでここにいんだよ!?」

「忍、草間くんと何してんだ?」

「そうだ、野分。高槻くんと2人で何してんだよ。それにその大荷物…」

「あ、えっとこれですか?これは…」

「わーーーー!」

バレたら意味がないと思って気付いたら叫んでいた。

俺の叫び声に驚いて3人は黙ってしまった。

「なんでもねぇ!!っつか仕事中に外で2人でなにしてんだよっ」

「なんでもないってことはないだろ。草間くんと2人でそんな大荷物で。」

「宮城に関係ねぇし!!お前らこそ2人だろっ」

「(カチン)関係ねぇって……あーそーかよっ!勝手にしろ!!俺はこれから上條と仕事帰りのデートだ!(大学まで)」

「ちょ、教授何言ってんですか!俺を巻き込まないでくださいっ」

「ヒロさん!」

上條弘樹も草間野分も何か言ってたかもしれないが、宮城はあいつの手をとるとずかずかと横を通り過ぎていった。

そこに取り残された、怒りに満ちている俺と困っている草間野分。

「すみません。俺が余計なこと言いそうになったので…」

「いい…あんたのせいじゃない。」

俯いたままの俺に草間野分は気を使うように話しかける。

「忍くん、大丈夫です。宮城教授だって少し気がたってただけですから。ケーキ作り頑張りましょ、ね?」
「俺、ケーキなんて作んねぇから、教えなくていいっ!」

「忍くん!?」

草間野分の優しい言葉は嬉しかったけど、やっぱ今の俺はそれでも素直になることなんてできない。

あの人には悪いけど、俺は逃げるように家に帰っていた。





今日はもうクリスマス当日。

宮城と言い争ってから1週間近くたった。
どちらも意地をはってるせいか会おうとしないし、ましてや連絡もとろうとしない。

最初から一緒にクリスマスは過ごせないって分かってたけど、ケンカしてるのとしてないのとでは気分が違う。
ケンカしなければ夜少しだけでも会えたかもしれないのに。

こんな日に一人でいるのは嫌だけど、何もせずにいると寂しさが増すから、ケーキを作ることにした。
キッチンには1週間前から置きっぱなしのケーキ作りの材料。


ケーキ作りにいざ挑んでみれば難しく、草間野分に選んでもらった初心者向けの本を読んでも俺につくれるのか?と思うほどだ。

何回もスポンジ作りに失敗してしまう。
やっぱスポンジは買えばよかったかもしれない、あの人も初めてはそうしたほうがいいかもしれないと言っていたが、俺は全部自分で作りたかったから。


何時間もかけ、丸焦げのスポンジを何台も無駄にしてやっと出来上がった。

クリームで飾り付けても、スポンジの歪みは直されず見た目にも上手とは言い難い。

そんな不格好なケーキを見て、まるで自分みたいだと思う。

歪んでて、人の優しさもつき返して、一人で不格好になってて

自分のようなケーキを目の前に泣けてくる。

「うっ…ひっく、…う…」

もっと素直なれば良かった。


こんなケーキ捨ててしまおう。
自分みたいで嫌だ。

ケーキを捨てるように、自分の不恰好なとこも捨てられればいいのに。


ケーキを持ち、ゴミ箱へと向かう。

「ばいばい、俺」

ぐちゃぐちゃにゴミ箱に捨てられたケーキ。
だけど心は晴れない。


「うっ……ひく、…みや…ぎぃ…」


その場に座り込んで泣くことしかできない。
もう少し俺が強ければ、今すぐ宮城のもとに行くのに。


ごめんなさい弱い俺で


ごめんなさい素直になれなくて


「…ごめんなさい宮城」


もしこんな俺でもサンタにプレゼントをもらえるなら、宮城に会いたい。

会って、素直に言うんだ

「…みやぎ……す」



ガチャガチャッ

玄関から勢いよく音が聞こえる。
廊下を走る音のあとに扉の開く音が鳴り響く。
音に聞き耳をたててると大声が聞こえて。

「忍っどこだ?」

「どこにいるんだっ」

宮城の声。
なんでここに宮城が?

部屋中の扉を開け、俺の名前を呼んでいる。
俺の場所は死角になってて宮城から見えていなかった。
宮城が再びリビングに戻ってきて、俺がいないことに落胆したのか座り込んだ音が聞こえた。

「忍、どこいったんだよ…」

宮城の苦しそうな声が聞こえてやっと俺は声を出せた。


「みや…ぎ…」

「忍っ」

俺の声に反応してキッチンにいる俺のもとへ走ってきて、強く抱き締められる。

「忍」

「宮城っ」

宮城の存在を確かめたくて俺の腕にも力がこもる

本当に宮城がここにいる。
今、俺を抱き締めてくれてる。

今言わなきゃ、宮城に会えたら素直になるって決めたんだ。

「宮城…好きだ…」

言葉に反応したように宮城の力も強くなる。

「忍、すまん…」

なんで、宮城が謝るんだろう。

俺が素直じゃなかっただけなのに。

宮城に謝ってほしくない。

「みやぎ、好き…会いたかった」

今はそんな言葉聞きたくないから。
俺は今の俺の素直な気持ちが宮城に伝わってほしい。

「忍、俺も…お前が好きだ。」

伝わった。
宮城に、俺の気持ち。

抱き締められていた腕が緩められ、やっと宮城の顔が見えた。

優しそうに微笑む宮城は、俺の涙を指ですくう。
壊れ物を扱うように、頭に額に、頬にキスを落とされていく。


「草間くんに聞いた。」

「草間野分に?」

宮城はポツポツと話始めた。

「お前が俺のためにケーキ作りの練習をしてくれるって。…すまん、俺はクリスマスってことに今日まで気が付かなかった。」

あの後逃げるように帰った俺を気にしてくれた草間野分が宮城に弁解したそうだ。
その時まで宮城は今日がクリスマスだってことに気が付かなかったし、俺がその日の予定を聞いた時のことも忘れていたと謝ってた。

「俺も宮城に謝らなきゃ…」

「忍?」

「俺、ケーキ作ったんだけど捨てちゃった。でも、きっと美味くないから…」

さっき捨ててしまったケーキを思い出していた。
ケーキを捨てたことに後悔はないけど、宮城が気にかけてくれたことが気になって。

「…そうか、それはもったいなかったな。」

少し残念そうに言う宮城、だけど微笑んで頭を撫でてくれる。

「じゃぁ明日、俺と作るか?あ、明日だともうクリスマスじゃないか…まぁ、2人でいられれば関係ないよな。」


2人でいられればクリスマスなんて関係ない。
2人で過ごす時間が大事だから。
俺が思ってたことと一緒だ。
宮城も同じことを思っててくれた。


「宮城っ!!」

嬉しくてまた宮城に抱きつく。
しばらくそうしていて、宮城に顔を上げさせられる。
唇に触れるだけのキスをされ、それは深い口づけに変わっていく。


クリスマス、それは一緒に過ごせれば嬉しいけど

同じ時間を過ごす方が俺達には大切だから。

宮城と2人でいられればいい。





END




**********************************
「クリスマス」を読んでいただきありがとうございました!!
なんとか25日にUPすることができました。
本当はテロエゴの方の区分にしようと思いましたが、テロ要素が強いのでこっちにしました。
クリスマスなのに切ない系です。
でも私のテロはいつもそんな感じです(笑



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マンガ・映画鑑賞
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「廻」と書いて「めぐる」と読みます。
801系に手を手を出し始めたのは、2年くらい前です。
純情ロンマンチカの純テロ溺愛中ww
でもやっぱり、男女カップルもの大好きですww
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